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2014-03-10

本読みの小旅行 00009.魂のいちばんおいしいところ

00009
花の絵

「美しい……」と日曜画家
「一億三千万です」と画廊
「下手っぴ!」と子ども
「ふーむ」と批評家
「ふん」ともうひとりの批評家
「破いちまえ!」と前衛画家
「ダイヤのほうがいいわ」とその愛人
「抑圧された性」と心理学者
「関係ねえよ」と暴走族
「美術界の腐敗である」と新聞記者
「雄しべの数が間違ってる」と園芸家
「言葉は無力だ」と詩人
「作者の生まれた年は?」と教師
「あとでギョウザ食べよう」と恋人たち
「匂いがないわ」とエコロジスト
「なむあみだぶつ」とお婆さん
「これこそ文化であります」と政治家
「栄養にします」とデザイナー
「私有する気はない」とお金持ち
「花より団子」と団子屋さん
「美を定義するのは美だ」と美大生
「蜜が吸えない」と蜜蜂
「これが私?」と花……

(絵ノムコウニ花ガ見エナイ
絵ハ壁ノヨウニ目を遮ル
花ヲ描コウトシテ
画家ハ絵ヲ描イテシマッタ)

(谷川俊太郎)

一枚の絵を見る、23の視点。
実際の詩集では、人の視点(美大生)で一度区切られ、ページをめくると蜜蜂、そして花となる。
(画面上にのっぺりと書いてあるより断然面白い)
言葉遊びかと思いきや、手痛いくらいの風刺が効いていてドキリとする。
言葉が無力だと思った詩人や、花を描こうとして絵を描いてしまった画家の心境ったら…

本書が出た当時、日本で一番著名な現代詩人であるこの人は何をしていたんだろう…と興味本位で調べてみると、
佐野洋子と結婚した年だった。

この事実を知ってから読み返すと、何か違ったものが浮かび上がるだろうか?
夜は長い。
ひとりニヤニヤと読み返してみよう。

「魂のいちばんおいしいところ」(谷川俊太郎 著、サンリオ 刊)
<言葉の預金通帳>

00008.ことばの力
00007.森は生きている-十二月-
00006.ある家族の会話
00005.馬車よ、ゆっくり走れ
00004.ロシアは今日も荒れ模様
00003.ビバーク
00002.PAPERSKY No.39
00001.ニューせんだいノート

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