toggle
2014-04-28

本読みの小旅行 00016.花の詩集

ルオムの森にある山桜の開花は4/26だった。
百年文庫の窓から双眼鏡で見てみたらぽつりと咲いていた。
翌朝(つまり昨日)、楽しみに見てみると、濃い桃の花が枝先に広がっていて、風に揺れると大きく手招きしているように見えた。
誘われて花の下まで行ったのに、空の明るさに消えてよく見えない。2階からは見えるのに…。

さて、16冊目に紹介するのは『花の詩集』。
近現代の詩の中から、花の詩を集めたアンソロジー。

00016

ぱらりぱらりと捲って、目に留まった詩をいくつか。

「ある時」山村暮鳥

木蓮の花が
ぽたりとおちた
まあ
なんといふ
明るい大きな音だつたらう

さようなら
さようなら

 

「宵待草」竹久夢二
まてどくらせどこぬひとを
宵待草のやるせなさ

こよひは月もでぬさうな。

 

「花」林芙美子
三度結婚をしたと云って自慢にもならぬ
花は一度咲いて散つてしまふが
人間のやうに長い一生ではない。

女で 平民で まだクンシヤウを胸にしたことがない
たつたいちど
薔薇の一輪を胸にして
クンシヤウがはりにしたいと思つたのだが
道がせまいので気兼ねをして歩かねばならなかつた。

 

かつて、浅間高原は、詩人が集い、たくさんの詩が生まれた。詩の聖地だった頃があったのだ。
この本の目次を見れば、大学村に縁ある人たちの名前をいくつも見つけることができる。
でもいまは活躍した詩人たちは亡くなってしまったり、去っていったりで、聖地の面影はない。

淋しい気もするけれど、それはそれ。
また新しく興せばいい。新しい波を作ればいい。
過去の栄光にすがる必要も、縛られる必要もない。
満開のコナシが作りだす小径や、裾野に広がる新緑のパッチワークを見て魂が震えたとしたら、それはすでにその人の心に生まれたひとつの詩だ。

5月から6月にかけての北軽の景色は、一瞬たりとも見逃せない。
一斉に咲き乱れる野の花と、新緑の海を、是非見に来てほしい。

「花の詩集」(串田孫一、田中清光 編、筑摩書房 刊)
<言葉の預金通帳>

00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち)
00014.旅をする木
00013.雪の絵本

00012.なぜ私はこの仕事を選んだのか

00011.わの会の眼
00010.歴博万華鏡

00009.魂のいちばんおいしいところ
00008.ことばの力
00007.森は生きている-十二月-
00006.ある家族の会話
00005.馬車よ、ゆっくり走れ
00004.ロシアは今日も荒れ模様
00003.ビバーク
00002.PAPERSKY No.39
00001.ニューせんだいノート

  • […] 00019.天体議会(プラネット・ブルー) 00018.博物誌 00017.作家の猫 00016.花の詩集 00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち) 00014.旅をする木 00013.雪の絵本 […]

  • […] 00019.天体議会(プラネット・ブルー) 00018.博物誌 00017.作家の猫 00016.花の詩集 00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち) 00014.旅をする木 00013.雪の絵本 […]

  • […] 00019.天体議会(プラネット・ブルー) 00018.博物誌 00017.作家の猫 00016.花の詩集 00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち) 00014.旅をする木 00013.雪の絵本 […]

  • […] 00019.天体議会(プラネット・ブルー) 00018.博物誌 00017.作家の猫 00016.花の詩集 00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち) 00014.旅をする木 00013.雪の絵本 […]

  • […] 00019.天体議会(プラネット・ブルー) 00018.博物誌 00017.作家の猫 00016.花の詩集 00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち) 00014.旅をする木 00013.雪の絵本 […]

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)