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2014-08-11

本読みの小旅行 00031.coyote no.06 特集 トーテムポールを立てる

00031

この号に載っている「かぜがおうちをみつけるまで」というお話がとてもいい。
アラスカ先住民族クリンギットの語り部が伝える神話を、谷川俊太郎が翻訳し、長崎訓子が絵を添えている。
(詩は本から飛び出して、2009年に単独の本として刊行されていたらしい)

特集を読み進むと、星野道夫と交流のあった池澤夏樹も登場する。
亡くなった星野道夫が伝えたかったのは何かと振り返り、こうまとめる。
「(前略)自分たちの幅にあった範囲でとらえた小さな範囲の自然ではなくて、「人間なんか知らないよ。こっちはこういうことでやっているのだから」と言っている自然。全然優しくなく、人間になんか何の関心も持っていない自然。人ひとりが生きようが死のうがそんなことはどうでもいいと無言のままにそこにある自然の原理をもう一度見直す」ということ。
もんやり(=悶々+ぼんやり)考えていたことを言葉にしてくれたようで、すっきりとした。

買うだけ買って積んだままにしておくのはいつのもことで、本書にジャック・ロンドンの『焚火』が載っているのを知らなかった。
柴田元幸の翻訳で、題名を『火を熾す』としている。
この話を最初、ポプラ社が刊行している百年文庫で読んだ。
ある年の初冬、急激に冷え込んだ日の、日差しも弱まり薄暗くなった部屋で、灯油切れのストーブの前で読んだ。しかも独りで。それなので強烈な印象が残っている。
これは早く帰って、柴田元幸訳を堪能せねば。
「うっかり凍死」の心配もないようなぬるい夜ではなくて、骨の痛みさえ消え入りそうな冷たい夜に読んだ方が面白いのだけれど。

森をかける夜行性動物の声を聞きつつ、帰る準備をしよう。
ギューギューファンファン鳴いているのは、何者だろう。
ちっとも優しくなんかない自然に、勝手に癒されて、明日もまたがんばろう。

「coyote no.016 特集 トーテムポールを立てる 」
<書物空想旅行>

00030.coyote no.06
00029.PAPERSKY No.07

00028.Spectator 2008. Issue  VAGABONDING IN JAPAN

00027.Spectator 2006.Autumn&Winter Issue  
00026.アラスカ 風のような物語

00025.ぼくはこうやって詩をかいてきた
00024.不滅の弔辞

00023.ニコニコ通信

00022.頭の打ちどころが悪かった熊の話
00021.啄木のうた
00020.葉っぱ

00019.天体議会(プラネット・ブルー)

00018.博物誌

00017.作家の猫

00016.花の詩集

00015.アラスカ 永遠なる生命(いのち)

00014.旅をする木
00013.雪の絵本

00012.なぜ私はこの仕事を選んだのか

00011.わの会の眼
00010.歴博万華鏡

00009.魂のいちばんおいしいところ
00008.ことばの力
00007.森は生きている-十二月-
00006.ある家族の会話
00005.馬車よ、ゆっくり走れ
00004.ロシアは今日も荒れ模様
00003.ビバーク
00002.PAPERSKY No.39
00001.ニューせんだいノート

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